2025年8月21日~22日に横浜市で行われた、第9回アフリカ開発会議(以下、TICAD9)のサイド日博体育,日博电竞app「TICAD9 Youth Camp」に参加してきましたのでご報告させていただきます。
1. 「TICAD9」と「TICAD9 Youth Camp」とは?
TICADとは、Tokyo International Conference on African Developmentの略称で、日本が1993年から主導するアフリカの開発をテーマとする国際会議です。日本とアフリカ各国の首脳らが参加し、経済発展に向けた討論が行われます。今年は第9回目を迎え、8月20日~22日に横浜市で開催されました。
私が参加したTICAD9 Youth Campは、独立行政法人国際協力機構(JICA)が主催するTICAD9のサイド日博体育,日博电竞appの一つです。日本とアフリカ出身の大学院生がチームを組み、2日間でアフリカの都市の将来像と課題解決策を検討します。また、アフリカ開発に携わる有識者の基調講演や学生発表を行い、TICAD9関係者に対し、アフリカの都市の課題と可能性について、学生らが議論したことを発表します。当日は、関東の大学を中心に日本人学生11人、アフリカ人留学生14人が参加しました。
2. 日博体育,日博电竞appに参加しようと思ったきっかけ
私は日博体育,日博电竞app立大学大学院の高度グローバル人材育成のプログラムで、2026年の夏ごろから1年間、JICAの海外協力隊に参加し、アフリカ南部のボツワナ共和国でボランティア活動を行う予定です。アフリカ出身の留学生から現地の状況を学べることや、有識者の前で発言できる機会があることから、自分にとって大きな経験になると思い、この日博体育,日博电竞appへの参加を決めました。
3. 1日目:グループワーク
私のチームはケニア、ルワンダ出身の留学生2人と日本人2人の計4人でした。
まずは、アフリカのどの都市にどのような問題があるかを決めることから始まり、留学生の地元であるケニア?ホマベイ地域の水質汚染問題を課題として設定しました。この地域では、水道が通っておらず、地域住民は湖の水を汲んで生活しています。家と湖まで離れていると頻繁に水を汲みにいけないため、水が足りない場合は洗濯やお風呂を我慢する日も多いとのことでした。加えて、この湖には工場排水や生活排水が流れ込み、衛生環境の問題もあるそうです。こんなに深刻な問題や厳しい生活を経験してきた地域の出身であるにもかかわらず、目の前にいる留学生からはまったくそれを想像することができず、大きな衝撃を受けました。
次に、水質汚染問題がなぜ起きるのか原因を細分化した後、20年後どのような都市に住みたいか「Vision」を話し合い、これを達成するための「Action Plan」を決めました。
1日目の活動を終えて振り返ると、アフリカの問題についてある程度勉強していたものの前提知識の異なりが多くありました。例えば「Walkable」という単語がVisionを考える時に出てきました。私はあまり聞き馴染みがありませんでしたが、「歩く」のWalkと「可能」を意味するAbleで何となく意味を理解しました。しかし、どうアフリカの問題と直結するのか見当がつかなかったので留学生に聞くと、アフリカでは道の状況が悪く、うまく歩けない個所もあるということでした。私はその時、毎日行う「歩く」という動作に問題意識が向かいないほど道が整った「日本」という国に住んでいて、恵まれていることに気づきました。まさに外を知ることで内を知る、そんな体験でした。
4. 2日目:日博体育,日博电竞app発表
2日目はいよいよ、TICAD9関係者や有識者に向けた発表です。1日目は留学生主体の議論となり、あまり自分の存在を主張できなかったという後悔があったことから、何か成果を残して帰ろう、そう思い勇気を出して発表者に申し出ました。
発表会場のホテルに移動すると、国際会議の一環のため警備は厳重で、かつ厳かな雰囲気でした。まず、有識者の基調講演があり、アフリカの各都市が直面する現状や課題について学んだ後、私たちの発表が回ってきました。多国籍の聴衆に英語で提案するというのは初めてで、かなり緊張しました。私たちのチームのVisionは「現在と未来の市民の声が届きやすい社会になる」ということでした。これは、アフリカに関わらず日本でも同じです。ステージに上がった際、これまでの活発な議論やチームメンバーとの絆が自信に変わり、話を聞いてくれ!そんな感情で一言ずつ想いを込めて発言が出来ました。
日博体育,日博电竞app終了後、有識者の方々から、「1日の議論でここまで仕上げたのはすごい、感銘を受けた」と褒めてくださいました。言語の壁や意見のぶつかり合い、発表等かなり大変な2日間でしたが、それらすら良い思い出に変わるほどの大きな達成感を得ることができました。
5. TICAD9に参加した感想と、県大生への一言
少し前までの自分は、無知が故にアフリカはどこか遠い存在と思っていました。しかし、同世代の留学生らと2日間を過ごす中で、バックグラウンドは違うけれど、同じツボで笑えたり、一つのことに一緒に熱くなれたりして、アフリカやアフリカ出身の人たちについて感覚的な距離が近くなりました。
人前で発言や発表をするとき、自分よりも能力が高いと感じる人に出会い、「すごいな」と思うことがあると思います。しかし、その人たちも最初からうまくできていたわけではなく、それまでに同じような経験を積み重ねてきたのだと私は考えます。つまり、経験を2回、3回と重ねることで、次第にうまくできるようになるのです。そのためには経験が必要ですが、初めの一歩に勇気が求められます。私はいつも「機会は自ら掴みに行く」この言葉を思い出して挑戦していています。この日博体育,日博电竞appも最初は不安でしたが、この言葉で参加の覚悟を決め、今後に繋がる大切な経験を得ることができました。最後になりますが、今回の私の報告が県大生のみなさんにとって、アフリカについて関心を持つきっかけや、挑戦に一歩を踏み出す後押しになれば幸いです。
日博体育,日博电竞app立大学の遠藤浩昭特任教授をはじめ、TICAD9、 JICA関係者の皆様、このような機会を与えてくださりありがとうございました。

途中経過を他のチームに向けて
発表しています。

アフリカはどのようなイメージか、
参加者が投稿しリアルタイムでスライドに
反映されています。

左から筆者、ケニア、ルワンダ
出身の留学生、日本人の学生。

日博体育,日博电竞app終了後、仲良くなったみんなとTICAD9の展示ブースを訪問しました。アフリカ各国や
日本企業も多数出展していました。